日本の広告最新事例を世界の潮流から読み解く #46

アース製薬の入浴剤「BARTH」、生活者参加型の寝顔だらけ広告に注目

前回の記事:
日本茶なのにクリスマス? 意表をついたサントリー特茶の屋外広告「8週間前からクリスマス」
 私は長年、多くの広告コミュニケーションの海外事例を紹介、その分析に努めているのですが、この連載では、いつもとはある意味では逆に、まず日本の話題作に目を向けて解説し、そのうえで、その意図や施策の在り方が、海外のどんな潮流と関連しているのかについて考えて行こうと思います。今回は、その第46回です。
 

気持ちよく眠ることを「泥睡」と表現、寝顔募集企画に注目


 特別な成分を含む機能性飲料や睡眠専用サプリなど、「睡眠の質」の向上を訴求する商品は世の中に山のようにある。たいていの商品は、成分の効用を謳い、理性的なメッセージを主としてコミュニケーションしている。眠れない現代人は多いらしく、中には大ヒット商品となっているものもある。

 そんな中、アース製薬の入浴剤「BARTH」の巨大駅ナカ広告が、幸福そうな寝顔124枚を並べて「睡眠の質の良さ」をエモーショナルにメッセージする表現で、ひときわ目を引いた。赤ちゃん、ワンちゃん、猫ちゃん、ペットと飼い主、男性、女性、様々なタイプの人やペットの幸福そうな寝顔が124枚も並ぶ姿は壮観だ。
  

 この広告が掲出されたのは11月20日からだが、遡ること40日の10月9日に、同じ商品の別の広告が掲載されていた。生活者からの寝顔写真募集のための広告だ。
  

 そこには大きく「寝顔だらけの広告がつくりたい」と書かれ、124のスペースに寝顔が尊いと担当者が思う124の理由が、枕のビジュアルの上に記されていた。それと同時にBARTH入浴剤1回使用分も張り付けられていた。結果として、3500以上もの応募が集まり、その中から厳選された124の寝顔で今回の広告が作られたのだ。
  
BARTH「泥睡」特設サイト

 他の多くの睡眠サプリとは異なり、BARTHは今のところ「睡眠の質を上げる」という成分的な説得力のある理由は伝えていないようである。だからこそ、こうしたユーザー参加型のエモーショナルなコミュニケーションを取ることにしたのだろうと推察できる。

 実は筆者も、深夜にトイレなどで起きた後に眠れなくなることが時々あり、少し悩んで幾つかのサプリを試していた。この広告の存在をSNS経由で知り、早速BARTHの入浴剤を買って試してみたが、果たして…実は「泥睡」したのである。今も毎晩、使い続けている。

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