TOP PLAYER INTERVIEW #04

「仕事は、本当に“悪者”ですか」無双塾・塾長 足立光が語るワーク・ライフ・バランス

「人が何に心を動かされているのか」が大事

中野 仕事とプライベートを分けない方が、よりビジネスに良い影響を与えるということでしょうか。足立さんのFacebookを拝見していると、旅に出たり、飲み会を開いたり、いつも活発に動いていらっしゃいますよね。

足立 はい、そうですね。私が活発に動く理由は、3つあります。

 ひとつは、世の中の人たちが今、何に心を動かされているのか、ヒットしているものを注視し、自分でも体験することがマーケターとして必ずプラスになるからです。そもそも、マーケティングはもちろん、ビジネスそのものが「人の心を動かして、行動を変えていくこと」ですよね。なので、流行っていることを実際に自分でやってみたり、話題の場所やイベントに自分が実際に行ってみて、人が何に心を動かされているのかを、ひとりの消費者として体験しておくことは大切な活動だと思います。



 2つ目は、脳の退化を防ぐためです。常に脳に刺激を与えないと、活動が低下することが医学的にも分かっています。若い頃に美味しくて感動したラーメンを、今食べても、あまり感動しませんよね。これは経験とともに味覚のレベルが上がったからです。なので、新しい感動を覚えるためには、もっと美味しいものを食べないといけないんです。そうでないと、脳が刺激されず、活性化しません。年齢を重ねれば重ねるほど、常に新しいことや、強い刺激のあることをやって、脳に刺激を与え続けることが大切です。

 3つ目は、プライベートでの人のつながりが直接的に仕事に結びつくことが結構あるからです。例えば、私が在職中に行った、日本マクドナルドと楽天ポイントとの提携、DeNAのスマホゲーム『逆転オセロニア』とのコラボレーションなどは、実は飲み仲間との雑談がきっかけだったんです。

中野 なるほど。飲み会での付き合いにも、価値があるわけですね。

足立 そうですね、飲み屋である必要はないんですけど(笑)。そういえば、今年6月にエステーさんの「消臭力」と、日本マクドナルドの「ロコモコバーガー」の、西川貴教さんを起用したコラボレーションが話題になりましたが、これも今年5月に沖縄で開催されたカンファレンス「マーケティングアジェンダ」で、エステー 宣伝部長の鹿毛康司さんと話したことがきっかけでした。

 エステーさんがテレビCMで西川貴教さんを起用していたのを知っていたので、新しいテレビCMについて尋ねたところ、マクドナルドが同じく西川貴教さんの起用を予定していた「ロコモコバーガー」のテレビCMと、放映開始日が数日違いだったんです。それなら面白いことできそうですね、という話になって、コラボレーションが実現しました。

 そんな風に、人との出会いが、具体的な仕事につながった事例は枚挙にいとまがありません。ただし、「仕事とプライベートを分けていないから、そうなったのか」と聞かれも、そもそも分けたことがないので、よく分かりません(笑)。

中野 足立さんは、社会人になってから、ずっと仕事とプライベートの境界がないのですか。

足立 いえ、社会人になりたての頃は、仕事が終わると、家に帰ってテレビを見て過ごしたりしていました。それが、プライベートな時間だと思っていたんです。しかし、社会人5、6年目の頃から、そうした時間を「生産性が低い、無駄な時間」と感じるようになったんです。特にテレビは、時間あたりのインプットの量が、ネットを見たり本を読んだりするのと比較して、圧倒的に低いことに気づき、基本的に見るのをやめました。

 それまでは、ワイシャツも自分でアイロンをかけていましたけど、それも止めました。俺の時給は、そんなに安くはないぞ、と(笑)。
 
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