TOP PLAYER INTERVIEW #05

「SO WHAT?」を考え続けたからこそ、マクドナルドでの数々のコラボ企画が誕生した【足立光】

前回の記事:
「仕事は、本当に“悪者”ですか」無双塾・塾長 足立光が語るワーク・ライフ・バランス
 国を挙げた「働き方改革」が進む中、仕事とプライベートに悩むビジネスパーソンは少なくない。限られた時間の中で、どうすれば成果を生み出すことができるのか。「足立光の無双塾」塾長であり、初の著書『マクドナルド、P&G、ヘンケルで学んだ 圧倒的な成果を生み出す「劇薬」の仕事術』(ダイヤモンド社)の発売が決定したナイアンティック シニアディレクター 足立光氏の働き方について聞いた(前編はこちら)。
 

情報から「SO WHAT?」を考える

中野 情報を「人から得るタイプ」「メディアから得るタイプ」など、人によって情報収集のタイプは違います。足立さんは普段、どのように情報収集をしていますか。

足立 見ているメディアは、皆さんとそんなに変わらないと思いますよ。ただ、触れている「量」が多いかもしれません。私はいつもケータイ2台持ちで、左右の手に1台ずつ持って、一方がスマートニュースなどのニュースアプリやニュースサイト、もう一方がFacebookやTwitterなどのSNSというふうに同時に見ています。毎日、いろんな方々と食事をしながら、いろんな話をしています。1晩に2~3件、別の食事会や飲み会をはしごするのも普通です。よく「忙しい芸者さんみたい」と揶揄されます。もちろん、新聞や雑誌も読んでいます。

中野 両手にケータイは、器用ですね。膨大な情報の中から、必要な情報を選び取る力も大切ですね。 
 
「足立光の無双塾」 足立さんとFacebookグループで交流できる!オフラインイベントの動画が見られる! 
プレミアム・スタンダード会員の詳細・お申し込みは、こちら

足立 そういう意味では、情報を見るときは、常に「SO WHAT?(だから何?)」を意識しています。「これ、いいな」と思ったら、それをどうやったら仕事に活かせるかなと考えるわけです。そういうクセをつけると、自然と仕事に落ちてくるんですよ。

中野 頭の中で「点」と「点」を結びつけるように、「いいな」と思ったことをビジネスに結びつける力を持たなければいけませんよね。足立さんは、日本マクドナルドのCMO時代に、数々のコラボレーション企画を手がけられました。それも、情報を仕事に落とし込めたからですか。

足立 そうだと思います。マクドナルドでのコラボレーション企画は、3種類に分けられます。一番わかりやすいのは、シェイクやフルーリーなどスイーツ系の商品コラボレーションです。代表例は、森永ミルクキャラメルとコラボレーションしたシェイク。その成功を受けて、カルピスやチェルシー、ブラックサンダーなどとも企画を行いました。こちらは、ネーミングだけで「美味しそう!」と思ってもらえる魅力的な商品づくりもですが、そのニュースをコラボレーション先の会社からファンの方々に発信してもらうことが狙いでした。

 もうひとつは、サンリオさんのキャラクター「ポムポムプリン」と「マックフルーリー」とのコラボです。これは一見すると先ほどの例と同じに見えるかもしれませんが、実は「ハッピーセット」との取り組みも走っていました。キャラクターとのコラボレーションによる効果を「ハッピーセット」以外の商品にも最大限に活かそうとした取り組みです。こちらも「ポムポムプリン」の成功を受けて、その後は任天堂さんの「ポケットポンスター」や、サンリオさんの「ぐでたま」との「ハッピーセット」と「マックフルーリー」の同時コラボレーションに発展しました。



 3つ目は、商品と絡まないアライアンス(提携)企画です。NTTドコモさんのdポイントや楽天さんの楽天スーパーポイントとの提携。auさんの「三太郎の日」、DeNAさんの「逆転オセロニア」やサイゲームさんの「グランブルー・ファンタジー」などのゲームとのコラボレーションもありました。「ポケモンGO」のオフィシャル・パートナーになったのも同じ流れです。イオンさんや出光さんなど、大手小売企業とのコラボレーションも行っています。この狙いは、マクドナルドに来る商品以外の理由を増やし、それをマクドナルド以外の会社から大量に情報発信してもらうことでした。このように、同じ「コラボレーション」キャンペーンといっても、いくつか異なるタイプがあったんです。

中野 ヒットするコンテンツとのコラボレーションで「人の心を動かして、行動を変えていくこと」ですね。

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録