トップマーケターが語る2019年の展望 #02

トップマーケターが語る2019年の展望②【音部大輔、鈴木康弘、世耕石弘、富永朋信】

前回の記事:
トップマーケターが語る2019年の展望①【奥谷孝司、石川森生、緒方恵、長田新子】

まもなく「平成」が終わります。この30年でインターネットが普及し、メディアの構造が変化、消費者の情報発信力も高まり、企業のマーケティング活動は大きく変わりました。2019年は、どのような年になるのでしょうか。トップマーケター12人に「2019年の展望」を聞きました(第2回/全3回)。

「人間回帰」を考え始める、いいタイミング

音部 大輔 氏
クー・マーケティング・カンパニー
代表取締役

 「人間回帰」を考え始める、いいタイミングではないかと考えます。スマートスピーカーなどを通してAIが生活の中に入り始め、自動運転の実装に向けた法制度の整備も進んでいます。人間がなすべきことは何か、といった議論が盛んになりそうです。仕事が奪われるというラッダイト運動的な思想から、人間らしく個性を尊重する時代になるという論調まで、いろいろな見方があります。マーケティングにおいても、AI関連サービスが人々の生活や消費にどのような変化をもたらすか議論が進んでいくことでしょう。消費者を生活者と呼び変えるといったことで満足せず、そもそも我々は人間である、という視点の重要さが増してくるのではないかと思います。
 

企業のデジタルトランスファーの流れが表面化

鈴木 康弘 氏
デジタルシフトウェーブ
代表取締役社長

 2019年は2018年以上に先行き不透明な時代となることが予想される。世界情勢は益々混迷を深め、国内も消費税率アップによる景気の低迷が心配される。労働環境を見ても一括採用、終身雇用などの従来の制度が大きく変わり、企業と個人の関係も変わっていくだろう。しかし、その中においてもIT技術の進化は益々進み、企業のデジタルトランスファーの流れが表面化してくることが予想される。マーケターは、これらの変化を迅速に捉え迅速に行動していくスピードが勝負を決めていくのでは無いかと思う。
 

Call to Actionの分野は期待大

富永 朋信 氏
イトーヨーカ堂
営業本部 本部長補佐

 マーケターはスマホ・PC以外でユーザー行動をセンシングすることに注目すべきだと思う。音声認識の技術やAmazonGoのような取り組みが進んで行けば、ユーザー行動を捕捉する主戦場はスマホなどから、全く違う方向に広がっていく。例えば音声認識の情報からは購買プロセスの中で、どんなやりとりがどのようなユーザーの態度変容に繋がったのか、などの具体的なデータが取得できる。それらから演繹される消費者エンゲージメントの考え方は、既存のそれを大きくアップデートしてくれる可能性があると考える。特に認知ユーザーの背中を一押しするための、いわゆるCall to Actionの分野は期待大!
 

瞬間瞬間に湧き上がってくるトレンドを掴み、瞬時に行動

世耕 石弘 氏
近畿大学
総務部長

 正直、先のことはわからない。瞬間瞬間に湧き上がってくるトレンドをいかに掴み、瞬時に行動に移すことのできる環境づくりが大切かと。 大学界は2019年度は入試制度改革により旧制度の入試が最後の年度。その先がまだ全く見えていない状況下で、理想だけに偏らず、現実に即したベストな判断を即決できる組織に本学を導いていきたい。
 
※第3回 友澤大輔、西井敏恭、本田哲也、山口有希子 に続く
続きの記事:
トップマーケターが語る2019年の展望③【友澤大輔、西井敏恭、本田哲也、山口有希子】

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