「マーケティング」という大海を、航海するための羅針盤 #08

インディーズバンドの法則。コアなファンを大事にすることを忘れてはいけない

前回の記事:
ファンの価値は、どう計測できるのか【コミュニティマーケティングを成功に導く十カ条】
 

「継続的なお客さま≒ファン」になってもらうために


 前回まで3回に渡って、コミュニティを通じてお客さまにファンになってもらう重要性を書いてきました。かなりの反響もいただき、ありがとうございます。
 
 今回でコミュニティマーケティングをテーマにした回は一旦終わり、通常のマーケティングやキャリアの連載に戻ります。その前にコミュニティマーケティングにおいて、いくつか言い残したことや補足をお伝えしていければと思います。

 サービスを利用するという「一時的なお客さま」から、サービス提供者を応援・支持いただく「継続的なお客さま≒ファン」になってもらうためには、どうすれば良いのか、改めて考えていきたいと思います。

 ファンのコミュニティをつくっていく時に、KPIの設定は真っ先にするべきではないと「コミュニティマーケティング十箇条」で指摘しました。企業ならば、KPIの設定は大切ですが、まず知っておかなくてはならないのは、コミュニティのような人と人とのつながりは、数字を積みあげた理屈通りの結果になりにくいという点です。

 仮説は施策ごとに必ず持つべきですが、PCの前で数字とにらめっこして、机上の空論をつくる時間があるならば、現場に行ってお客さまの動きを観察したり、Twitterや Instagramでひとりでも多くのお客さまの声に触れて、インサイトを考えたり、不満に思っていることが何かを考えた方が良いサービスづくりに貢献できると思います。

 今回は、その中で大切なポイントを4つ解説しましょう。


 

1.期待値を超え続けること


 次の図を見ていただければと思います。



 マーケティング活動において大切なのは、企業はお客さまが想像しているサービスの期待値を超える体験を提供して、「あの企業が出す商品やサービスは、何でも好き」という、いわば「企業⇄お客さま」の信頼関係を構築していくのが第一歩です。

 この信頼関係ができれば、お客さまは商品を購入するだけの一過性の顧客ではなく、継続的に応援いただけるファンになる可能性が上がります。

 図で言うと、①期待の超える体験を提供、②お客さまのロイヤリティを上げる、③その声を広める仕組みをつくる、という順番になります。

 この循環によって、プロダクトに対しての良質な空気感が醸成できます。逆に言うと、お客さまの期待を裏切る行為をすると、一気に空気感が悪くなり、企業の信頼低下、売上も落ちるという流れになります。

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