「マーケティング」という大海を、航海するための羅針盤 #09

マーケティングの最先端を行く、コロナ禍で生まれた「劇団ノーミーツ」

前回の記事:
インディーズバンドの法則。コアなファンを大事にすることを忘れてはいけない
 

「劇団ノーミーツ」の凄さに触れた年末


 コロナ禍で迎える初めての年末年始は、みなさん各々ができる工夫をして過ごされたと思います。

 今までは年末年始に初詣に行かれていた方も、今回はテレビ番組を見たり、動画コンテンツに触れたり、スマートフォンでゲームやコミックを楽しんだり、家の中で過ごした人も多いのではないでしょうか。

 私も年末年始に様々なコンテンツに触れました。Netflixで映画やドキュメンタリーを見たり、1度読破した「鬼滅の刃」を最初から読み直してみたり、TikTokで人気の動画を見たりしていました。

 そんな中で、今回の私の連載では、年末に行われていたフルリモート劇団「劇団ノーミーツ」のオンライン演劇を紹介したいと思います。クオリティがとにかく素晴らしく、かつマーケティング視点から見ても非常に勉強になりました。
 

そもそもオンライン演劇とは?


 オンライン演劇とは、その名の通り、今まで劇場や舞台で行っていた劇をオンライン(ZOOMなど)で行うものです。まさにコロナ禍で生まれ、劇場までの移動を伴うことなく、自宅のPCやスマートフォン上から体験できます。

 私は演劇が好きでよく舞台を見に行っており、「劇団ノーミーツ」も2020年5月の初回公演から累計で7回ほど見ているファンですが、マーケター視点から良い点を解説していければと思っています。

 「劇団ノーミーツ」は、2020年4月にコロナ禍に旗揚げした劇団です。名前の由来は、会わないという意味の「No Meets」と「NO密」と「濃密」をかけて、劇団ノーミーツとなったようです。
 

 5月に旗揚げ公演として上演された『門外不出モラトリアム』は、2500円の有料チケットが5000枚以上売れ、2020年7月にアジェンダノートでも紹介されています(参考:「有料チケットを5000枚以上販売。『劇団ノーミーツ』会わない制約から生まれた新しいエンタメの可能性」 )。

 12月に行われた公演『それでも笑えれば』は、長編公演としては3回目になり、公演の度にクオリティが上がり、顧客の求めている新しい演劇体験にひたすらチャレンジしている点は、まさに顧客起点という部分でマーケティングそのものだと感じています。

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