カスタマーエンゲージメント研究会 #03Sponsored

サントリー、三井住友カード、FABRIC TOKYO 、JALなど参加。カスタマーエンゲージメントの評価指標や方法論を議論【研究会レポート】

前回の記事:
Repro、「Web・アプリ接客ツール」の利用状況に関する調査結果を発表。カスタマーサクセスの重要性を8割以上が実感
 2020年9月11日、企業のカスタマーエンゲージメント向上のための議論を行う「第1回カスタマーエンゲージメント研究会」が開催された。当会の発起人であるRepro 取締役CMOの中澤伸也氏のほか、ボードメンバーとして集まったのは、メーカーや外食、アパレル、D2C、ECポータルなど、多岐にわたる業種業態の面々。研究会設立の目的や今後の取り組み、それぞれの企業におけるカスタマーエンゲージメントの捉え方などを議論した。
 

カスタマーエンゲージメント研究会発足の意図


 「ここ数年ずっと、カスタマーエンゲージメントに関する研究会を立ち上げたいと思っていました」と口火を切ったのは、カスタマーエンゲージメント研究会の発起人であるRepro 取締役CMOの中澤伸也氏だ。
 
Repro 取締役CMO 中澤伸也氏

 インターネットの普及で消費者と企業の情報格差は急速になくなり、対等な立場になってきた。その両者のつながりを表すのに、これまでは「顧客ロイヤリティ」という言葉が伝統的に使われてきたが、ロイヤリティの言葉が「忠誠心」を意味するように、顧客から企業へという一方通行のイメージが強い。

 これを「消費者と企業がインターネットを介してフラットにつながるような世界では、より双方向の関係性に変えていくことが求められている」と中澤氏は話す。

 「エンゲージメントの意味は、約束や信頼。言葉に双方向のニュアンスが含まれているので、最近はカスタマーエンゲージメントという言葉が使われ始めたと考えています。特にこれからの時代は、お客さまとどれだけ双方向の関係性をつくれるかが重要です。そこで、カスタマーエンゲージメントを企業活動として追及していくにあたり、みなさんの知恵を集めて地図をつくりたいというのが、エンゲージメント研究会を発足する理由です」と、設立への想いを語った。

 中澤氏によると、現時点で予定している主な活動は5つ。今まで曖昧だった「1.カスタマーエンゲージメントの定義の言語化」、「2.カスタマーエンゲージメントを測る指標や方法論の開発」、「3.開発した指標の有用性の調査」、「4.高エンゲージメント企業に共通する特徴の研究とアウトプット」、「5.カスタマーエンゲージメントに優れた事例の発掘と表彰」だ。
 
第一回研究会(感染対策を行い、ソーシャルディスタンスをとるかたちで開催された)。
 

エンゲージメント向上に欠かせない、3軸の現状分析

 
第1回ハイエンゲージメント企業事例セミナー 参加受付中!
 カスタマーエンゲージメント研究会では、会員向けに「ハイエンゲージメント企業事例セミナー」を開催します。顧客と良好な関係を築いているハイエンゲージメント企業の担当者が登壇し、自社の取り組みを紹介しながら、カスタマーエンゲージメントについて議論します。第1回のゲスト登壇は、LIFULL LIFULL HOME'S事業本部/ユニット長 菅野 勇太氏。

 <開催概要>
 日時:2020年12月2日(水)16:00~17:00
 会場:オンライン視聴(ZOOM)
 詳細、お申込み:https://agenda-note.com/conference/detail/id=3326  
 
 次に、カスタマーエンゲージメントを考えるうえでヒントになる事例として、アクティブ CEOの藤原尚也氏が、これまでの経験を紹介してくれた。

 藤原氏は化粧品やアパレルを中心とした複数の企業のマーケティングをサポートしてきたが、その際に必ずエンゲージメントを高めるために必要な準備として、次の3つの切り口から現状分析を行ってきた。

 ひとつ目は、商品。その会社が扱っている商品が何で、どの商品から売上をつくっているか。2つ目は、販売チャネル。どのような販売チャネルを持ち、それぞれのチャネルごとにどのようなコミュニケーションを行っているのか。そして3つ目は、顧客。顧客はどのような人たちで、時季による購買傾向はどうなっているのか。これらの現状を調べて参考にしながら、戦略や施策を策定していくという。
 
アクティブ合同会社 CEO 藤原尚也氏

 この3つの視点から立案した施策として藤原氏は、アパレルブランドの事例を紹介した。
 
 藤原氏が消費者とのコミュニケーションチャネルとして選んだのは、テレビCM。それと同時に、インターネット上で商品に関連する語句の検索結果はすべて、リスティング広告を使って自社商品がトップに出る状態にした。さらにサテライトサイトやアフィリエイト、SNSなども活用し、テレビを見て検索した人は全員自社サイトに集まる動線をつくった。

 また、サイズや色、肌触りなどに不安を持つ人に向けてフリーダイヤルも用意し、電話注文も受け付けた。これに店舗も含めた販売チャネル全体でエンゲージメントを高めながら、多くの顧客接点をつくって購入を促したことで、「目標販売数を3カ月で達成しました」と成果を語った。

 藤原氏の話を聞いて中澤氏は、「エンゲージメントについて考えるとき、いくつか重要な軸があると感じています。購入前までの期待、商品を購入する瞬間、購入した後にもポイントはあります。そうしたエンゲージメントの構成要素と、それぞれのキードライバーを踏まえて、エンゲージが高いとはどういう状態であるかを定義して、具体的に展開していく流れになると思っています」とコメントした。
 

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