マーケティングアジェンダ2021外伝 #04
本当の「インサイト」はどこにあるのか? 吉野家伊東氏、デコム大松氏による”お客様訪問インタビュー実践講義”【マーケティングアジェンダ2021レポート第四回】
2021/12/03
「キーインサイト」、「バリュープロポジション」をプロモーションに落とし込む
実際に、大松氏が落とし込んだアウトプットがこちらです。
ご覧になると、すぐわかると思いますが、画面から見える背景情報の観察、そこから特徴的な部分を抽出、読み取れるエモーションとその裏に存在するバックグラウンドがまとまっています。
そこから、一番ネックになっているキーインサイトを抽出し、バリュープロポジション(顧客に提供する価値)に落とし込まれています。
答えはひとつではなく、あくまで一例です。なので、インタビューの受け取り方によって様々な回答が得られます。実際に発表されたチームごとに全く異なる見解が得られていましたが、その見解の精度は当然異なるわけで、ここに経験とノウハウが必要なのだなと改めて実感する“良セッション”でした。
まとめ:仮説探索にもっと時間を割くべき
このセッション内容のまとめとしてわかりやすかったので、ラップアップでの大松氏の内容も合わせてご紹介します。
「マーケティング調査においての目的は①仮説検証、②仮説探索があるが、大抵が①に時間が向けられている。②への時間も増やすと良い」と大松氏は話します。
そして、「さらに分類すると、それぞれを『asking→聞いたことはわかるが、それ以外は不明』、『listening→新しい発見ができるが、データが整ってないので分析が難しい』」と非常にわかりやすい整理でご説明されていました。この分類で、皆さんのやっているリサーチに偏りはないでしょうか。おそらく、仮説検証のaskingにばかり寄ってしまっている方が多いのではないでしょうか。
最後に、「マーケターは表面で見える善の欲求(天使)ばかりを見がちだが、裏に隠された負の欲求(悪魔)にも目を向けられるとより深まる」と大松氏は続けます。インタビューはまさに話していることが本当なのかを疑うことが重要です(ラップアップでは、グループインタビューは他人がいることでより見繕うことが多くなり、実際に使える意見が少ないと不評でした)。
一人ひとりとじっくり話して得られた意見、オンラインでのアンケートのフリーアンサーなど、お客さまがより生々しく回答できる状態で得られた言葉、情報でないとインサイトは掘り当てられません。
非常に参考になる内容が多かったのではないでしょうか。他にもマーケティングアジェンダ2021の記事をまとめておりますので、ぜひご覧ください。
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