SNS・消費行動から見えてくるアラサー女子のココロ #12
サントリーの人気コーヒーショップ「TOUCH-AND-GO」に見た、外見カスタマイズの大切さ
朝5時に起きないと、予約できないほど人気に
先日、サントリーのBOSSがプロデュースする「TOUCH-AND-GO COFFEE(タッチアンドゴーコーヒー)」というコーヒーショップが話題になった。
その店舗は、LINEからコーヒーを注文し、時間を指定して取りに行くとロッカーのような入れ物にコーヒーが入っていて、待ち時間なしに受け取れるというモバイルオーダーの可能性を感じさせるサービスである。
この企画はもちろん、「LINEでコーヒーが注文できる(決裁まで一括完了)」「事前に時間を指定できて、待ち時間無しで受け取れる」という仕組みが新しくて面白かったことが一番の価値ではあるが、その他にも成功要因があったように思う。
それは、ラベルを自由にカスタマイズできることである。
実際に、開始1週間くらい経った頃、朝5時に起きないと予約できないような状況になっていた。これは、本来の利便性以上の価値を感じる誰かが注文しているとしか思えない。
バズった背景は、 “推しボトル”という遊び方
実際に購入した友人によると、購入者のほとんどは何かのファンが多かったという。SNSで「タッチアンドゴーコーヒー」と検索してみると、この“推しボトル”の投稿がものすごい量あふれていることが分かる。
自分が“推している”アーティストやタレントの名前をラベルにしてコーヒーを注文して、それを写真に撮ってSNSに載せたり、趣味友だちに渡したり、遠征(遠くの土地でのライブを見に行くこと)に持っていったりしているのだ。
Instagramで検索すると“推しボトル”勢以外にも、自分の名前のラベルをつけて投稿している人も多く見られた。また、Instagram上で映える見た目にしたり、Twitterでも可愛く撮られた画像がいくつもバズっていた。
当初、想定していなかったかもしれない、カスタマイズできるという体験が特定層に刺さり、その日の販売が朝6時には終わってしまうような状態がつくられたのだ。