ニュースと体験から読み解くリテール未来像 #20

有名テクノロジー企業も多数出品。米国発b8ta 北川卓司・日本代表に聞く日本進出の勝算

前回の記事:
マクドナルドのモバイルオーダーがついに日本でも開始。米国との「違い」と「利点」を徹底分析
商品が売れなくてもビジネスが成立する店舗の先駆けである、米国・サンフランシスコ発のベンチャー企業「b8ta(ベータ)」が今夏、日本に出店します。

連載5回目の記事「Googleも出品。知る人ぞ知る、店頭の商品が売れなくても利益が出る米国の注目店舗b8ta」がきっかけで、ベータ・ジャパン 日本代表である北川卓司氏にインタビューする機会をもらい、その強みや日本展開について深く聞くことができました。

b8taの店内には、スタートアップ企業がつくったハードウェア製品のほか、様々なイノベーティブな商品が並んでいます。そして、その販売売上ではなく、店内での顧客体験データの販売で収益を上げるビジネスモデルです。今回は筆者の考えを踏まえながら、連載の一環として3回に渡って紹介していきます。
 

今夏、日本に2店舗オープンする狙いとは


郡司 この夏、日本に2店舗オープンされると発表されましたが、b8taが今のタイミングで仕掛けることになった理由を教えてください。

北川 
2020年1月現在、米国で23店舗、また昨年末にはアラブ首長国連邦(ドバイ)にも出店して、おかげさまで2015年の創業から良いペースで拡大し続けられています。

そうした中で海外進出を考えたとき、米国の店舗に来る日本人の比率が高かったんです。ガジェット好きの人が訪米の目的のひとつとしてサンフランシスコのb8taに行くようで、店舗スタッフからも日本人の興味が高いと聞いていました。

また、今年は東京でオリンピックが開催されるため、様々な国から人が集まるタイミングで出店したいという狙いもありますし、出資していただくタイミングも重なりました。  
 
北川 卓司
b8ta Japan Country Manager
2004年PR会社入社後、IRコンサルティング会社、スタートアップのCEOを経て、フランスのEMLYON経営大学院でMBAを取得。 2015年ダイソンにリテールマネージャーとして入社し、世界初の旗艦店を表参道にオープン。東京統括部長を経て、2019年11月 より現職。

郡司 日本人の来店が多いというのは、スタッフの体感でしょうか。

北川 
それとTwitterの投稿数ですね。あとは、日本で成功すれば、アジアの他国での展開にもつながるという考えがありました。やはりお客さまのサービスに対する日本のレベルは高いと言えます。
 
米国のb8ta店舗。

郡司 北川さんが日本の代表に就任された背景を教えてください。  
  
郡司 昇
店舗のICT活用研究所 代表
1999年ランド設立。セイジョー(現ココカラファイン)とFC契約。2007年セイジョー入社。調剤事業部課長→営業管理課長兼ココカラファインHD調剤担当で業務効率化・コスト削減・アライアンス等担当。2013年 ココカラファインOEC社長就任。2016年 ココカラファイン統合マーケティング部長兼任。 2018年4月~現職。ITベンダーの持つ最新技術をどのように小売業で価値を持たせていくかをベンダー、小売業双方の三方良しを実現する手助けを各社でしている。

北川 
前職では、ダイソンに務めていて表参道にある世界初の直営店の立ち上げをはじめとする直営事業を担当していました。また、体験の訴求を目的に表参道ヒルズなどでイベントを行っていましたので、そうした経験を買われての就任だと思います。

それにb8taのファウンダーと共通の知り合いがいて、今回、日本へのb8ta参入が決まり、正式に声をかけてもらって「面白そうだな」と加わることに決めました。
 
  • 筆者の考え
一般的に旗艦店出店は、売上を狙うという発想だけになりがちなところです。北川氏の前職時代のインタビュー 記事(参考:「業界のLeading Company vol.7」)を読んだことがあります。

北川氏が日本の代表に選ばれたのは、ダイソンの旗艦店を立ち上げたノウハウはもちろんのこと、自らゴール設定して目的がブレないリーダーであったことが大きいのではないかと推測します。

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