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人生100年時代により変わるビジネス人生の設計 #04

会社に依存しないブランド人材になる一番の近道は、起業家になること【デジタルシフトウェーブ】

前回の記事:
自分のブランドづくりのために、「運」を引き寄せる方法【デジタルシフトウェーブ 鈴木康弘】

個人が企業を頼れない時代が到来

 第1回第2回と、「人生100年時代」そして「デジタルシフト」という我々を取り巻く環境は大きく変わり、個人が企業に依存できなくなっているという状況をお話しました。

 そして、第3回目では、企業に頼らない個人になるために、自分のブランドを磨く必要性をお話させていただきました。

 日本は、ひと昔前まで、安定した企業に就職(就社)し、先輩・上司の指導のもと一生懸命に働き、順調に出世を重ね、定年を迎え潤沢な退職金を手にして、同時に年金の受給を受け、余裕のある老後をおくることが当たり前でした。

 企業は個人の生活を保障し、個人はそんな企業に忠誠を誓い、一生懸命に働きました。とても幸せなことです。こんな幸せな人生を送れたのは、団塊の世代(現在70歳代)まででしょう。

 しかし、今や我々の取り巻く環境は大きく変わり、企業は生き残りのために、内部留保を増やし、危険を察知すると、リストラも辞さないようになりました。今、個人は、もはや企業を頼ることは出来ませんし、「頼ってはいけない時代」となっているのです。そのためには、企業に依存しない自分のブランドを磨く必要があります。
 
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大海原で生き残るために

「自分のブランドを磨くためにはどうすれば良いのでしょうか」

 若い人たちから、よくこんな質問をされます。そのときに私は、「起業家を目指してみると、近道だと思うよ」と答えます。

 企業はどんな会社にもブランドがあります。そして、その会社を起業した人物にもその会社のブランドと同等のブランドがあります。

「〇〇会社をつくった(名前)さん」「(名前)さんの〇〇会社」と言われることもあります。「ソフトバンクをつくった孫さん」「楽天をつくった三木谷さん」といった具合です。

 もちろん彼らは、大成功者ですので、私を含めて、すべての人に当てはまるわけではありません。しかし、「起業家=ブランド力の高い人」は確実に言えると思います。起業家は、自ら社会という大海原に飛び込み、会社を興し、その会社が社会に必要とされた場合、企業は大きく成長し、やがて会社の成長とともにその起業家のブランドも高まっていきます。反対に社会に必要とされなかった場合、会社は生き残ることはできません。

 これからの時代、個人も好むと好まざると起業家と同じ状況に近づくと思います。今までは、企業という安全な船に乗っていた個人は、今やその船を降ろされ、社会という大海原に漕ぎ出す、小舟のような存在になっているのではないでしょうか。

 起業家は、社会という大海原に放り出されても、自分で方向を定め、自分で漕ぎ出すことができる人たちです。これからの大変革の中、個人はどんな嵐の大海原に小舟で漕ぎ出しても、生き残るたくましさが必要だと思います。

 そう考えると、起業家を目指すことは、自分のブランドを磨き、企業に依存しない人材となる一番の近道だと、私には思えるのです。

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