人生100年時代により変わるビジネス人生の設計 #05

人生100年時代、企業はどう個人に向き合うべきか【デジタルシフトウェーブ 鈴木康弘】

前回の記事:
会社に依存しないブランド人材になる一番の近道は、起業家になること【デジタルシフトウェーブ】

日本企業の成長を妨げている3点

 これまで「人生100年時代により変わる人生設計(第1回)」、「情報革命により変わる企業と個人(第2回)」として今我々の環境が大きく変わっている話をさせていただきました。

 そのような環境下、「企業に頼らない自分のブランドを磨く(第3回)」、「起業家を目指し、企業に依存しない人材を目指す(第4回)」として個人がどうすべきかをお話させていただきました。

 今回は、視点を企業側に変え、企業は個人とどう向き合っていくべきかについてお話させていただきます。
 
 日本経済の歴史は、高度成長期、バブル経済期、失われた20年、そしてリーマンショック後の10年(現在)に大きく分けられます。戦後(1945年)の高度成長期の成長率は9.1%と、戦後の焼け野原から奇跡的な経済復興がなされました。

 当時は、モノがなくモノがあれば売れる時代でしたから、いかに効率よく安く早く大量生産できる製造業を中心に成長を続けていました。そして、戦後経済復興がなされ、オイルショック(1972年)を境に、国民は生活の豊かさを求めるようになりサービス業を中心とした企業が成長しました。

 そして、80年代に入り、いわゆるバブル経済期を迎え、大量生産の時代から、サービスの時代へとシフトし、製造業に加えて、多くの新しいサービス業が生まれました。そして日本は世界第2位の経済大国に成長しました。この奇跡ともいえる成長は、当時の人々の頑張りと日本で育まれた組織が、その成長を可能としてきました。

 この頃は、欧米企業はこぞって日本式の経営を勉強していました。しかし、その後、日本経済はバブルのように膨らみ、そして90年代に入り一気にはじけていきます。そこから日本経済は長い低迷の時代を迎えます。



 消費は冷え込み、財布の紐は固くなり、企業は売るために価格を下げ、競合に勝つためにさらに安くするというデフレ経済へ突入していきます。しかし、企業は過去の成功から脱却できずに、結果、失われた20年といわれる時代を迎えます。

 そして21世紀に入り、急速に世界はグロバール情報化社会へと突入し、世界的に経済は発展します。日本も多少その恩恵を受け、90年代後半の金融危機のような最悪な状況からは脱することができました。反面、日本企業はここで大きく変わるチャンスを逸してしまったといえるかもしれません。

 2008年にリーマンショックが全世界を襲います。欧米企業はこのときに大きく変わり、そして新興国はこれをチャンスとして、新しい企業の在り方を模索し始めたのです。しかし、日本はここでも大きく変わることができていません。
 
 現在、欧米企業、そして新興国企業は、どう変わってきているのでしょうか。そして、日本企業の成長を妨げているのは、何なのでしょうか。
 

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