【読書の秋】トップマーケターの価値観を変えた一冊 #03

【読書の秋】店舗のICT活用研究所 郡司昇氏、ピップ 久保田達之助氏の「トップマーケターの価値観を変えた一冊」③

前回の記事:
【読書の秋】元ユニ・チャーム 木村幸広氏、UCC上島珈琲 里見陵氏の「トップマーケターの価値観を変えた一冊」②
 「読書の秋」は、マーケターとして成長する絶好の機会です。何を読むかを選ぶときに、トップマーケターのオススメ書籍を参考にすることで、新しい視点とアイデアに触れることができます。今回のテーマは「トップマーケターの価値観を変えた一冊」です。マーケター、ビジネスパーソンとして、自分に新たな価値観や視点を与えてくれた書籍を1冊紹介してもらいました。この秋、ビジネスの成功につなげる選書をしましょう。
 
【読書の秋】トップマーケターの価値観を変えた一冊
 

店舗のICT活用研究所 代表 郡司昇氏


自分の価値観を変えた一冊:壁を破る言葉 岡本太郎(著)、イースト・プレス
 

 今回のテーマである「価値観」とは何か?私は誰もがわかっているようで、説明できる人間はそう多くない単語のひとつだと考えます。

「価値観とは、何に価値があると認めるかに関する考え方。価値を判断するときの根底となるものの見方。ものごとを評価・判断するときに基準とする、何にどういう価値がある(何には価値がない)という判断」というWikipediaの解説は、言い換えると「自身の持つ判断基準における拠り所」となります。ここに個人の本質が宿ります。

 さて、私の「価値観を変えた一冊」ですぐに浮かぶのは、過去に同種の企画で挙げた『自分の小さな箱から脱出する方法』(大和書房)です。しかし、今回の主旨を考慮して別の書籍を挙げると、真っ先に頭に浮かんだのは岡本太郎氏の『壁を破る言葉』(イースト・プレス)になります。

 岡本太郎氏の有名な言葉である「芸術は爆発だ」で思考停止していると、芸術家以外の多くの人は人生で損をします。以下に2つ、彼の言葉を引用します。

「自分をじっさいそうである以上に見たがったり、また見せようとしたり、あるいは逆に、実力以下に感じて卑屈になってみたり、また自己防衛本能から安全なカラの中に入って身をまもるために、わざと自分を低くみせようとすること、そこから堕落していくんだよ」

 まさに『自分の小さな箱から脱出する方法』のテーマと同じ一言です。

「謙虚というのは、人のまえで、おのれを無にするとか低く見せることでは絶対にない。むしろ自分の責任において、おのれを主張することだ。つまり、謙虚は権力とか他人に対してではなくて、自分自身に対してこそ、そうあらねばならないんだね」

 これらは私の価値観に大きな影響を与えた言葉です。ぜひ、岡本太郎氏の『壁を破る言葉』を読んでみてください。
 

ピップ 取締役商品開発事業本部長 久保田達之助氏


自分の価値観を変えた一冊:ドリルを売るには穴を売れ 佐藤義典(著)、青春出版社
 

 2008年に前々職で営業の副支店長から本社のマーケティング部長になったとき、マーケティングの知識を増やすためにさまざまな書籍を読みました。そのときに出会って、マーケティング素人の私が一番わかりやすく理解し、実践に役立った書籍が『ドリルを売るには穴を売れ』(青春出版社)です。

 私はマーケティングのフレームワークを本書から覚えました。価値を切り口にベネフィット、ターゲティング、差別化、4Pという流れで分かりやすく説明され、「まずは真似から」と思い、この書籍の通りにすべて考えをまとめていました。特に「商品を売るには、顧客の価値から考えよ」は今でもベースになっている考えです。

 16年前の書籍で少し古いですが、マーケティングの基礎を勉強したい人にはオススメです。

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