【読書の秋】トップマーケターの価値観を変えた一冊 #04

【読書の秋】花王 廣澤祐氏、FinT 大槻祐依氏の「トップマーケターの価値観を変えた一冊」④

前回の記事:
【読書の秋】店舗のICT活用研究所 郡司昇氏、ピップ 久保田達之助氏の「トップマーケターの価値観を変えた一冊」③
 「読書の秋」は、マーケターとして成長する絶好の機会です。何を読むかを選ぶときに、トップマーケターのオススメ書籍を参考にすることで、新しい視点とアイデアに触れることができます。今回のテーマは「トップマーケターの価値観を変えた一冊」です。マーケター、ビジネスパーソンとして、自分に新たな価値観や視点を与えてくれた書籍を1冊紹介してもらいました。この秋、ビジネスの成功につなげる選書をしましょう。
 
【読書の秋】トップマーケターの価値観を変えた一冊
 

花王 DX戦略部門 事業DX推進センター データドリブンMK推進室 廣澤祐氏


自分の価値観を変えた一冊:新しいマーケティングの実際 佐川幸三郎(著)、プレジデント社
 

 私が推薦する書籍は『新しいマーケティングの実際』(佐川幸三郎, 1992 / プレジデント)です。本書は花王でマーケティング部の部長から同社の会長まで務めた佐川幸三郎氏によって執筆されました。私は入社2年目に部内の上席からの勧めで手にしました。すでに絶版となってしまっていますが、中古であれば現在もオンラインで入手可能です。

 1993年生まれの私にとっては、生まれる前に書かれたマーケティング論になりますが、本書で語られるマーケティングのエッセンスは、30年経った現代でも共通する点が多いように思います。

 あくまで実務家が実務家に向けて書いた内容のため、実際のマーケティングオペレーションに関する詳述とそれらの一般化を志向した内容となっています。しかし、当時から実務家にも広く知られていたマーケティング理論や、経営学や組織学習に関する理論である『企業進化論』(野中, 1985/日経BPマーケティング)の内容も盛り込まれており、タイトルのとおり、日用品業界における「マーケティングの実際」がどのように動いているのか、その原型を細部まで知ることのできる数少ない書籍です。

 本書を読みながら、マスマーケティング全盛時代の仕組みを理解し、歴史と対比させながら現代のマーケティングについて再考することで、マーケティングの変わらない本質と劇的に変化し続けているさまざまな手段が、より鮮明に浮き彫りになると思います。
 

FinT 代表取締役 大槻祐依氏


自分の価値観を変えた一冊:経営者になるためのノート 柳井 正 (著)、PHP研究所
 

 この書籍と出会ったきっかけは、大学時代に起業しようとしていたとき、すでに起業していた同世代の起業家からの紹介でした。本書は衣料品ブランド「ユニクロ」で知られるファーストリテイリング 代表取締役会長兼社長の柳井正氏が社内で経営者を育てるために書いたと言われています。ここでは、経営者が持つべき力について語られています。

 最大の特徴は、本文の周囲にメモを書き込める空白が用意されている点です。そのときの自分の棚卸として、これまでの経験や知識を反映したメモを残せるため、定期的に読み返すと自分自身の成長した点と課題が浮き彫りになります。

 特に印象に残っているのは、「完璧を目指さずに成功するよりも、完璧を目指して失敗する方がよい」「安定志向で安定成長している会社はない」という2つの言葉です。 FinTの行動指針のひとつに「ナイストライ」というカルチャーがあります。これは失敗を責めるのではなく、挑戦を評価するような雰囲気づくりを会社全体で実施するために制定しました。

 実際、失敗に思えるような挑戦であっても、「ナイストライ」と捉えてプラスの側面に目を向けることで未来につなげる経験を沢山してきました。前向きにチャレンジをし続けていく経営や、経営者の取るべきスタンスが、現在のFinTの行動指針にもつながっています。

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